プラント工場や発電所においても、保守やメンテナンスなどを行う際に3Dスキャナーが活用されています。そこでこちらの記事ではどのように3Dスキャナーが使用されているのか、事例を交えながら紹介していきます。
プラント工場や変電所にて保全や保守を行うにあたっては、機器類の位置を詳細に把握しておく必要があります。例えば、機器の劣化が考えられる場合には平面図を参考にしながら工事計画を立てていきますが、中には図面で確認が行えないケースや、遠隔地などで迅速な確認が難しいケースもあります。さらに、現地で実際に確認すると図面とは異なる部分が多いといったケースも考えられます。
このような場合、3Dスキャナーを用いて3Dデータを構築しておくことで、PCがあれば変電所内の機器配置や周辺状況について詳細に把握可能となります。
計測データを3D計測データソフトウェアに取り込むことによって、寸法の確認はもちろん作業時の干渉チェックや危険予測を行えるため、設計や計画の精度向上に加え、安全性の強化も期待できます。
これまでは図面や現地写真をもとに工事計画を立てていたため、実際の現場での調整や問題発生が多く見られました。しかし、取得した3Dデータを活用すれば、寸法計測や機器の入れ替え時のシミュレーションもPC上で行えるようになります。
フランスの水力発電所では、タービンの設置や改修に伴い、巨大な水力発電用吸出し管の寸法を正確に記録するため、3Dスキャナを導入しています。測量が不正確だと事業規格に適合しないだけでなく、重大な事故につながる可能性があるため、高精度な測量が求められました。
実際に3Dスキャナーを導入したところ、2つの巨大な水力発電用吸出し管の測量はほぼ5時間以内に完了。その後、データを使用してミリ単位の精度を持つCADモデルを作成し、新たなタービンの設計・製作に活用されています。
工場の各種工事やメンテナンスを手がける企業での導入事例です。こちらの企業では、クライアントの負担を軽減するため、工事や施工準備の際の立ち入り回数や滞在期間を極力削減するよう努めています。しかし、従来は社員がメジャーで採寸しメモを取る方法を用いていたため、高所の測定を含め立ち入り時間の短縮には限界がありました。また、後から採寸漏れや未確認箇所が発覚するなどの課題もありました。
3Dレーザースキャナーとデータ加工用ソフトウェアを導入することによって、綿密な施工計画の立案や作業工程・必要な時間の高精度な見積もりが可能に。また、施工内容などをクライアントや自社技術者と共有できるようになり、施工後の手戻り防止にもつながっています。
ラント工場や発電所では、施設のメンテナンスや運営の効率化のために3Dレーザースキャナが活用されており、管理や保守の面で重要な役割を果たしています。しかし、3Dスキャナーにはさまざまな種類があることから、自社に合った製品を選ぶのは難しい面もあります。
そこで当サイトでは様々な20以上の3Dスキャナーを徹底調査。その中で見えてきた3Dスキャナーの選び方やおすすめの製品を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。